当社では20代のフルタイムのインド人労働者を採用し、当該労働者に社会保険が適用されるのは分かりましたが、老齢厚生年金を受給するために必要な10年の加入期間をカウントするにあたり、インドで公的年金制度に加入していた期間も通算できるのでしょうか。
また、日本とインドそれぞれで満額の社会保険料を支払うのでしょうか?

 

社会保障協定とは、

①「保険料の二重負担」を防止するために加入するべき制度を二国間で調整する(二重加入の防止)
②年金受給資格を確保するために、両国の年金制度への加入期間を通算することにより、年金受給のために必要とされる加入期間の要件を満たしやすくする(年金加入期間の通算)

という目的のために締結された条約のことをいいます。

2022年6月1日時点における、社会保障協定の発効状況は以下のとおりです。日本は23カ国と協定を署名済で、うち22カ国は発効済です。

(注)英国、韓国、イタリア(未発効)および中国との協定については、「保険料の二重負担防止」のみとなります。

協定が発効済の国

ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー、インド、ルクセンブルク、フィリピン、スロバキア、中国、フィンランド、スウェーデン

署名済未発効の国

イタリア(2009年2月署名)

「保険料の二重負担防止」、「年金加入期間の通算」は、日本とこれらの国の間のみで有効です(イギリス、韓国、中国およびイタリアについては、「保険料の二重負担防止」のみで、期間通算はされません。)。

本ケースでいうと、日本とインドとの間では社会保障協定が締結されており、老齢厚生年金を受給するために必要な10年の加入期間をカウントするにあたり、インドで公的年金制度に加入していた期間も通算できます。

また、日本の公的年金制度とインドの公的年金制度とは二重防止の対象となっていますので、日本とインドそれぞれで満額の社会保険料を支払うことはないと考えられます。

協定の対象となる社会保障制度は、協定相手国により異なります。

なお、対象となっていない制度については、それぞれの国の法令に基づき適用されます。

また、一部の協定には「年金加入期間の通算」に係る規定が含まれていません。